大雨の日に (06.16.2001)
ふとみあげること、そんな時間にめぐりあうこと
Photo taken by Tsunenori 'Lee' ABE
今日はいきなり大雨が降った。美術館に行く予定が、このひどい雨で流れた。
行きたかった個展は逃すわ、ずぶぬれになるわで散々といえば散々だったけど、今日はなんとなくそんな雨も気持ちが良かった。一緒に行くはずだった人と、行くのをあきらめてお茶を飲みながらうだうだと話をしてた。そんな時間も気持ちが良かった。そんな一日。
僕らが毎日こうして生きているのは、人との出会いがあるからだと思う。僕らは人との出会いによってはじめて、ひとりの人間としての存在が相対化される。僕が僕になる。誰とも出会うことがなかったら、僕は自分がどういう人間かすら分からないはずだ。
最近、立て続けに心を揺さぶられるようなメールをいくつかもらった。
昔からの友人だったり、かつての仕事仲間であったり、自分のライブによく来てくれていた人だったり、その書き手は様々だが、こうして心がじーんとするようなメールを何通かもらうと、人生本当に悪くないな、と漠然と思ったりする。
人と人とが意外なところでつながったり、ということもあった。そういう小さなことが、なんだかとても嬉しくなったりした。
つながり・・・。
雲行きの怪しくなってきた空を見上げながら、僕はそんなことを思っていた。こんな感傷は本当に久しぶりだったと思う。特にはっきりとした理由もなく、涙が出てくるのだ。「こうしてまわりにいるひとりひとりの存在やつながりが、今の自分を支えているんだ」と思っただけで。まるで、18か19ぐらいの頃の、感傷的すぎる想いのように。
Unisonic(今組んでいるア・カペラグループ)が簡単なレコーディングをする、というだけで、VOX
ONEのメンバーであった僕の恩師たちが指導に来てくれたり、方法論を話し合ったりしてくれる。ボーカル・アレンジの巨匠Steveは、授業を取ってるわけでもないのに、オフィスに楽譜を毎週持ってくる僕を、心から迎えてくれる・・・。僕がちょこっと帰ってライブする、というだけで、初日にソールドアウトするほどの人が「ライブに行きたい」と言ってくれる・・・。
正直なところ、辛いことの方が多いんちゃうか、と思うこともあるけど、こういう出会いのひとつひとつ、人と人とのつながりのひとつひとつがあるから、また明日も頑張ろうと思える。
だから、僕はどんな小さな出会いでも、なんだか必要以上に感謝してしまう。
「俺には歌があるんだ」って思った。そんなふうに思ったのはいつ以来だろう。うまい歌じゃなくて、いい歌を書きたい。感謝してやまない想いを、ことばに、メロディーに、のせていきたい。
大雨も、捨てたもんじゃない。そんな、6月。