今日はなんとなくつらつらと (03.23.2004)


Cafe Angora 
photo taken by Tsunenori 'Lee' Abe



最近本当に家から一歩も出ないような日々が続いたりして、「うーん、こんなんだと人間腐るぜ」と思ったりもするのだが、それはそれで結構楽しい。僕は家で仕事をするのに向いているのかなぁ。でもいまアレンジしている曲は、思い入れが強いせいか、書き出すまでに本当に時間がかかっている。アイディアをいろいろ出すのに、回り道がいっぱい必要な曲。1月に書いていた、サイモンとガーファンクルのあの曲もそうだったけれど、いま書いているジョビンの曲もそんな感じで、なかなか書き出せなくて困っている。

正確にいうと、書き出したんだけど、全部捨ててまた振り出しから始めちゃったんだよね。だってこのアレンジ、ピアノと声4つだけ、っていうシンプルなアレンジなんだけど、この曲だけゲストで弾いてくださるピアニストが素晴らしい方なんだもの。彼の持ち味とSyncopationの持ち味を最大限にフュージョンさせるには、どうしたらいいか!?悩みに悩みながら書いているのです。

こうしてたくさんの作品を生み出していると「ネタが尽きたりしないの?」ってよく聞かれます。答えはYesでもありNoでもあるかな。「Yes」にならないようにするために、日々いろんなものに触れているし、いろんなミュージシャンたちと演奏したりすることによって得られたりするものも多い。だからいつの間にか「No」ってことになってる。はっきりいってスランプだとかネタが尽きたとか言ってる人って、そこまで時間割いてないんちゃうか、って思う。スランプだとかネタが尽きたとか言ってる暇があったら、がつがつ練習するかいろいろ聴いてみたりライブに行ったり、勉強してみたりするべきだぜ、ってのが僕の信条。野球で鍛えた体育会系のド根性が、こんなところで活きてるのかもなぁ。

今日はちらっと書き始めて、すぐにやめちゃっていろんな過去の音源を聞き出した。そう、自分がどんな音楽をやってきたのかなぁ、って振り返ってみたんだよね。昔のMDやら、パソコンに保存していたファイルやらを掘り出して、古くは1998年に大学の仲間と歌った音源まで出てきちゃったりして。けっこうウケたなぁ。

音楽を仕事にし始めて今年で6年目。途中「社会人学生」の状態を経ていま、アメリカでの生活も4年目に突入した。今日半日ぐらいかけて聞いた曲たちを聴いても、本当にいろんなことをしてのが分かったし、いろんな曲を書いてきたなぁ、って実感。Syncopationを始める前は、ア・カペラ禁断症状が出てひとりア・カペラをいっぱいしてたなぁ、とか、Baby Boo時代の自分の稚拙なアレンジに苦笑いしたりとか、ボイコネの新鮮な試みに改めてびっくりしたり。そして声だけでなく楽器を含めて書き出してからの成長ぶりとか、とにかく聞いてて面白かったなぁ。ひとつだけ分かるのは、うーん、そのときそのとき一生懸命だったなぁ、ってこと。音楽で食べていくということは、一生懸命なだけじゃダメだと思うけれど、一生懸命になれるというのは最低限の必要条件でもあると思う。代わりにいろんなものを失ってもきたけれど、いろんなものを得てもきた。音楽で食べていこうとしてもなかなか出来ない人がうじゃうじゃいる中、いまこうして音楽で生活できている僕は本当にラッキーだと思う。でも、まだまだこんなもんじゃない。5年前音楽を仕事にし始めた頃とは雲泥の差があるように、5年後の僕はいまの僕の音源を聞いて、きっと苦笑いしてるんじゃないかなぁ。

はっきりいって僕は、自分に満足できたことなんてないんだよね。何かが出来た瞬間、「お、これええやん」とか「今日の演奏よかったやん」とか思っても、悦に入れるのは本当に一瞬のこと。次の瞬間「うーん、まだまだやな、オレ。もっとできるはずだろ。もっとうまくなれるはずだろ」とか思っちゃう。それってある意味幸せなことだけど、ある意味不幸なのかなぁ。

ま、でもこうして進化してきた自分がいて、そして自分が成長してきたように、同じ時期に活動していた仲間もそれぞれ成長しているなぁ、って思ったり(ボイコネの連中なんて、ほんとみんなそれぞれ頑張ってるよなぁ。うんうん)。今日はいままでの軌跡をちょっと振り返ってみた一日でした。

そしていろんな音楽を聴きなおしてみて、いろんな刺激を得て、アレンジの意欲が湧いてきた午後8時。また明け方まで書いちゃうのかな、また気づいたらメシ食べるの忘れちゃうのかな、とか思いつつ、これからアレンジに戻ります。アルバム中、一曲だけジョビンの曲が入っています。それは、こんなふうにできたんだな、って、後でこのコラムを見て思い返してくださいねっ。







コラムトップへ戻る