Columns by Lee aBe
これらのコラムは、僕がアメリカに住み始めた2001年のはじめから、「今この瞬間に感じたことを冷凍保存しよう」と思って書き始めたものです。記憶はどんどん風化されていきます。忘れることができるからこそ人間は幸せを追求できるのだと思いますが、忘れたくないこともあるでしょう。ここに刻んだ言葉たちは、僕が後から振り返ったときに、「忘れたくない」と強く思う感情の数々を表したものです。
ミュージシャンとして仕事を始めて2年目が終わろうとしていた僕は、日本でやっていたプロのボーカル・グループを辞めてアメリカに渡り、これまでの人生で最大の岐路に立ちました。そこからひとりで道を切り開くのは、決して簡単なことではなかったけれど、その道のりの途中でここに冷凍保存された想いの数々があり、そして数えきれない人たちの支えがあったからこそ、いま僕は音楽の世界で、文字通り世界中を飛び回りながらのらりくらりと生き延び、素晴らしい方々と音楽を作り、そして自分で作ったグループでデビューするまで歩いて来れたのだと思っています。
ステージの上、CD、ワークショップ、それから様々なメディアを通して、数知れない方々が僕の「表舞台」の姿に触れてくださっています。でもそれらの顔は、僕が実際にしている仕事のあくまで「表」の部分であって、その裏にはその何千倍、何万倍もの時間を、その準備のために過ごしています。そんな、実はとっても地味なライフスタイルを、そしてその過程で経験して来た喜怒哀楽を、大まじめに、ときに面白おかしく、その多くはけっこう長い文書で綴ってきました。
僕やSyncopationの作る音楽が好き、というファンの方々、僕を励ましてきた家族や友人たち、海外に出て一旗あげたいと夢見る方々、音楽で生きていきたいと思っている方々、そのほか、さまざまな分野で「一生懸命」生きているみなさんに、ここに書かれたひとつひとつのコラムたちを捧げたいと思います。と同時に、自分がふと立ち止まって「いま、僕はちゃんと一生懸命だろうか」と振り返る、ひとつの活力剤になったらいいな、と思っています。
このコラムたちが、そしてなにより僕の音楽が、なんらかの形でみなさんの心の栄養剤になれますように。Have a wonderful day!
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2006年4月 Lee aBe
最新コラム
「なりたい自分」は「別にない」 (01.05.2012)
二年半に渡る、「現役ミュージシャン、(途中からは)大学教授、
大学院生」という三足の草鞋を履いた生活が、ようやく終わりまし
た。その間あえて封印していた、「なりたい自分とは」という問い
への答えについて、コラムに書いてみました。
夢のカケラの住む街で (09.08.2011)
仕事で訪れた久しぶりの日本。関西での仕事の際、プロのミュージ
シャンとして歩き始めた、十二年ちょっと昔に住んでいた街を、本
当に久しぶりに歩きました。お金はなかったけれど、希望に満ち溢
れていたあの頃。あの街には、久しぶりに訪れたいまでも、自分の
原点がありました。
蔵出しコラム「作曲家の独り言」
第九回 「千本ノック」な歩き方
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蔵出しコラム(J-magazine 誌連載コラム 「作曲家の独り言」より)
「作曲家の独り言」シリーズ
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